888お絵かき備忘録

お絵描き・水彩ノウハウ

画像生成AI対策フィルター「Glaze」使ってみた

この記事を思想交えず書くのってむずかしい…

 

何かと話題な生成AI。

中でも現在流通している画像生成AIについて、学習に使われた画像たちは、製作者・所有者の許可を得ず、勝手に集められたものということで、問題になっています。

この辺の是非は法整備がされてないので何とも言えないのですが…

インターネットの仕様上、誰でも画像をDLできるといえばできますが、こういう使われ方は想定外としか。

 

XでもGrokというAIにポストを学習素材に使うかも、みたいな項目が追加されて、良くも悪くもこれをきっかけに注目を集めたようです。

ここから絵描きの間で、AIに対策する風潮が強まった、といっても過言でないかも。

 

そもそも、絵描きの間では以前から、無断転載や無断使用、なりすましなど、イラストを悪用されるトラブルは多々ありました。

今後は、AIによるトラブルも視野に入れて、悪用される可能性を少しでも無くすように、対策していくのが主流になるのかなーと思います。

画像生成AIへ対策するのは、無断転載や無断使用に対策するその延長上にある、のかも?

 

今回紹介するGlazeも、その対策のひとつとして、参考程度にお読みください。

なるべく個人思想は排してますが気づかずポロポロこぼしてるかも。ご了承ください。

Glazeとは?

簡単に言うと、画像に画像生成AIの学習を阻害するフィルター、電子透かしをかけてくれるソフト。

公式→https://glaze.cs.uchicago.edu/

Glazeを画像に使用するとノイズのようなフィルターがかかり、その状態の画像をAI学習に使用すると、AI内では画像が崩れてしまう…みたいな感じ?(よくわかってない)

詳しくはイラストレーターのよー清水さんが解説してくれてます↓

note.com

DLしてみる

Glazeは招待制のweb版とDL版があります。特にお金などはかかりません。すべて無償で使えます。

作ってる人が海外なので全部英語。招待制は製作者にDMすればいいそうですが、英語読めなくてどうすりゃいいかわからんってなったのでDL版を試すことに。

…実は、一度試そうとしたこともあるのですが、その時はWindowsのセキュリティが怒って起動すらできなかったので、ちょっと不安に思いつつ。

 

https://glaze.cs.uchicago.edu/downloads.html

公式のDLページ。英語わからんちんだけど一番下Download Linksに見慣れたWindowsの文字があったのでそこをポチっと。

昼とか夜に試したらDL残り11時間とかとんでも数字が出たので、朝に再チャレンジしたら数分でDL完了しました。

回線の混雑具合でも変わるようなので、なかなかDLできない人は時間帯を変えることをオススメします。

メモリ足りないってよ

DL完了、起動して初回DLで数分待って、ようやく準備も終わりいざ出力ボタンポチーッ!

は?

”your computer currently do not have enough memory to run Glaze.”

…??? コンピューターの…メモリーが…ど、どう…ん?? え…???

 

調べたらGlazeはすんごいメモリを食うらしい。

 

ブラウザ開いてGlazeの使い方ページとか、SNSとかyoutubeとか色々開いていたのが原因っぽい。

すべて閉じてGlazeだけにしたら、ようやく稼働してくれました。よかったー

使い方

保存先指定は忘れがちなので注意

UI全部英語なんで一瞬とまどいますが、青いボタン押してフィルターかけたい画像ファイルを選んで保存先指定して紫のボタンポチーで開始です。

スライダーは左に行くほど弱く生成時間が短くなるので、絵柄やスペックに合わせて調整しましょう。

上のスライダーは強くするほどフィルターが目立ちます。

下のクオリティは絵の画質というかフィルターの画質?に影響するようですが、いまいち目視だとわかりません。

 

ちなみに、私のPCのスペックは以下

CPU core i7 11700
GPU GeForce RTX 3060ti
メモリ 16GB(8GB×2)

少々古めですが一応ゲーミング仕様なので、素人お絵かき用としてもややスペック高め。

上画像で分かる通り、このスペックだとGPUの処理能力のおかげか、最高クオリティーを選んでも4分程度で終わります。爆速。

しかしそれでも結構ファンが唸ってたので、動作が重いのは確かです。

他の試した方の記事だと10分以上かかっていたので、時間は環境に大きく左右されそう。

家電量販店などで購入したような、イラストが描ける最低限、あるいはネットできる最低限スペックのPCだと、ちょっと厳しいかもしれません。

結構頻繁にメモリエラー吐くので、メモリは32GBくらい欲しいかも。

出力結果

フィルターの強さの比較。クオリティーはすべてデフォルトです。

わかりやすいように画像がちょっと大きめです。ご注意。

LOW

DEFAULT

HIGH

…これは、なかなか凄いですね。

emamori無料版を試したときは、滲みぼかしが崩れて鑑賞に堪えるレベルかというと微妙だったんですが、DEFAULTで軽くテクスチャがかかってる程度、LOWに至ってはほぼほぼわかりません。紙目のテクスチャといわれても気づかないレベル。

HIGHは流石に目立ちますが、文字の視認性も高く、絵柄によってはそういう効果として受け入れられそうです。

emamori

上でちょっと触れたので、こちらもご紹介。

https://emamori.com/

イラストをアップロードするだけで学習阻害フィルターをかけてくれる投稿サービス。

Glazeと理屈は同じ。重い変換処理を肩代わりしてくれるので、高機能GPU搭載PCがなくても使えました(過去形)

同じ絵でemamori無料版を利用した例。

 

残念ながら1月18日でサービス終了が発表されました。

note.com重い処理を肩代わりしてたので、コストに見合わなかったんでしょうね…

反AIの風潮が高まって、一気に無料ユーザーが増えたのもあるかも。有料でも使うかって、待ち時間も結構あって悩むところでしたので…

一応、後続のサービスも検討しているようですが、現時点では不明。

続報を待ちましょう。

Glazeとの比較

もはや比較が必要かはわかりませんが、旧ブログでは触れていたのでそのまま掲載します。

先ほどよりはハッキリした絵で比べてみます。

ノイズの強さはHIGHに近いように見えて、HIGHよりも所々形が崩れているのがわかるでしょうか。

細かい文字は完全につぶれてしまってますね。

無料で使える点においては、さすがにGlazeのほうが優れています。

 

しかし、対応スペックPCを用意する、という点においては、Glazeは結構ハードル高いんです。

昨今はGPUが本当に高くて…それだけで5,6万はするような代物、ネットや動画視聴するだけならオーバースペックなので必要ありませんし。アナログ絵描きに至ってはPCがない人も多いでしょう。

無料でなくとも、PC不要でフィルターを利用できるサービスは選択肢としてあって欲しいですね。