コミックイラストだと大抵必要になる主線。
つけペンインクをはじめミリペン、ボールペン、最近では万年筆やガラスペンを使うこともあるそうですね。
絵柄によっては線入れしないのもありなのですが、アニメ調だとやはり入れたほうがはっきりします。
ただ水彩は水を使う関係上、モノクロと同じような画材は使えなかったりします。
耐水性、と書いてあるものも、水をばしゃばしゃ使うとにじんでしまったり…
そんなわけで今回は、私の手持ちの主線に使えそうな画材を紹介します。
つけペン・ミリペン
漫画用のつけペン。インクが色々選べますが、水彩紙はやわらかく凹凸があるため引っかかたり滲みやすいです。
あんまり太いと淡い水彩に対し浮くので、スクールペンや丸ペンなど細いものを使用してます。スクールペンのほうが大きいのでインク持ちはよいのですが、丸ペンのほうが強弱がついて表現力があります。
インクはどちらも耐水性ですが、そのまま濃く使うと少々溶けてしまうので、水で薄めたほうが〇。
ミリペンはマルチライナーのインクが切れちゃってたのでピグマだけで失礼。
耐水性が高くにじむことはありませんが、細めのペン先だと紙に負けてかすれやすい。
HI-TEC-Cは比較用。コピックなどアルコールマーカーとは相性が良いのですが、水厳禁なので、水彩の場合は使用してはいけません。
完全に乾いてから、主線をなぞってハッキリさせる、という使い方なら有りです。
マジックのマッキーとボールペンのブレン。こちらも水では滲みませんが、紙に染み込んで滲んだり、こすれてインクが伸びたりするので、メインで使用することはおすすめしません。
普通のBの鉛筆。実は結構定番。あまり濃く描かなければ下書きのまま使えて、着彩し乾いた後も消しゴムで消せます。
油性色鉛筆を仕上げに使う人もいらっしゃいますね。その場合、あまり安いものを使うと薄すぎ固すぎで、水彩紙と相性が悪いようなので注意。
カラーペン
いろんなメーカーがカラフルで多種多様なペンを出してますが、主線に向くのは彩度の低い色、ぶっちゃけ茶色があれば事足ります。
ですが、髪と肌など部位によって色分けすると馴染みがよく、雰囲気もやわらかくなります。
まあ、この辺は絵柄や個人の好みでしょうね。
SARASAは耐水性ですが、若干水で溶けだします。それを利用して下塗り代わりにするとちょっと雰囲気が出るので、たまに使用してます。
uniball oneは薄い色ばかりなせいか全然滲んでませんね。ボールペンタイプなのでインクだまりができますが、それも味だと思えば水彩とかなり相性はいいです。
マルチライナーも定番。耐水性〇。ただやはり細いとかすれやすいです
カーボン紙
カーボン紙で下絵を転写する方法は、消しゴムを使わないぶんあまり紙を傷めずにすみます。
ただ物によっては汚れやすく、色も選択肢は少ないです。
写真はダイソーのカーボン紙ですが、こちらは汚れ難く消しゴムである程度薄くできるので使いやすいです。
転写するときは、ボールペンなど固いものでなぞります。力を入れすぎると紙がへこんで、色も非常に濃くなります。かといって、弱すぎるとかすれてしまいます。
ずれないように一か所固定して、転写途中もめくって確認すると失敗しにくいです。
また、下絵の裏をBなどやわらかい鉛筆で塗りつぶし、簡易カーボン紙にすることもできます。
作例
カーボン紙は、適度に力を入れると、鉛筆とさほど変わりない濃さになります。ただ、直接書いている所が見えないので、思わぬ所を引っ搔いて色がついてしまうことも。
つけペンは細密な描写も可能ですが、ひっかかりやすく、インクが濃すぎると滲んでしまう恐れもあります。
鉛筆はやわらかい雰囲気は得意ですが、あまり濃くならないのでパキっとした雰囲気は苦手。こすれて汚れやすいので注意も必要。
カラーペンはつけペンより乾きが早く、部位によって色味を変えられるのが強み。その分手間とお金がかかります。誤字ってるのは気にせんでください…
どれも一長一短、絵の雰囲気に合わせて使い分けたいですね。
余談
インクブームの昨今、キラキラインクや遊色インクなど、様々な染料インクが出ております。
でも染料は基本的に非耐水性。水で溶けだしちゃうので、水彩には使えない…
でも、どーしても使いたい!って場合は、着彩して乾いた後にペン入れする、という方法もあります。
これなら耐水性、非耐水性を気にする必要もありません。
ただまあ、下描きのみで塗らなければいけないし、せっかく綺麗に塗れてもペン入れで失敗して台無し、とリスクは多少ありますが。
あと耐光性がね…インクは基本的に変色・退色が早いです。顔料インクだとマシになる傾向ですが、それでも物によっては退色します。これは水彩も一緒。
しまって保管しておくならいいですが、飾りたい場合は、耐光性の高い、色褪せしにくいものを選ばないといけません。
そういう意味では、使った絵の具と同じものを、筆でなぞって主線にするのも有り。
耐光性が同じなので、これが色褪せる時は、濃淡がかっている着彩部分のほうが先に退色しているはずなので。
ただし、細い線を安定して引ける筆が必要なのと、腕にかかる負担が半端ないです。
書道で細い線を書こうとしたら手がぷるぷるするでしょ?筆で線を引くってかなり力を使うんです。
馴染みは一番いいんですがね…やるなら人物のみとか顔まわりのみとか、あまり細部まで描画せずほどほどにしたほうがいいです。背景までキッチリ引くと腕がしぬよ…